【労務の談話室】第4回 産休・育休中の社会保険料免除について

毎月、給与から控除されている健康保険料・厚生年金保険料(以下、社会保険料)は、産前産後休業・育児休業(以下、産休・育休)中、その負担が免除されます。

免除対象となる期間は、産休・育休の「開始月」から「復帰月の前月」までで、その期間中は本人負担分だけでなく、事業主負担分も全額免除が適用されます。

産休は出産予定日をもとに開始日を定めることになりますが、予定通りにいかずに出産日が前倒し、または後ろ倒しになることがあります。

その場合、免除対象となる期間はどうなるのでしょうか。

 

 

出産予定日に対して出産日が前後した場合、産休開始日は「どちらか早い方」を採用するため、免除期間が前倒しとなる場合があります。

<例>

出産予定日:2020年11月15日

6週前:2020年10月5日

 

出産日:2020年11月7日

6週前:2020年9月27日

 

上記の場合、出産予定日をもとにすると、10月分の社会保険料からの免除です。

しかし、出産日の方が早いため、実際の産休開始日は2020年9月27日となり、結果、9月分の社会保険料からの免除が可能です。

 

このように免除期間が前倒しになる事例として、妊娠に伴う体調不良により早めにお休みに入られた方が、出産予定日よりも前に出産された事例などが当てはまります。

反対に、産休開始日まで働かれていた場合は、前倒しになりません。

 

一方で、出産予定日に対して出産日が後ろ倒しになった場合、産休開始日は後ろ倒しにはせず、出産予定日を基準とします。

<例>

出産予定日:2020年11月28日

6週前:2020年10月18日

 

出産日:2020年12月12日

6週前:2020年11月1日

 

上記の場合、出産日をもとにすると11月分の社会保険料から免除と考えてしまうかもしれませんが、早い方である出産予定日をもとに考えるため、10月分の社会保険料から免除で変更はありません。

 

産休を開始した時点では免除の期間は不確定なため、出産のご連絡があった時点で、免除申請は変更する必要が生じる可能性があります。

忘れずに手続きを行いましょう。

(文責 渡部)